2022.12.17
ブログ
一次産業は、時に想像もしない過酷なこともあります。
自然や生き物を相手にしていると、
計画通りにいかないことに直面するものです。
実家の家業でもあった鮮魚の仲買いの仕事を継いだ後に、
ヒラメの養殖をスタートさせた大田幸宏さん。
ようやく養殖の仕事が軌道に乗り出した、
そんな時に突如訪れた困難。その時から今日に至るまでのお話を伺いました。
養殖場から100m離れた海から海水をポンプで汲み上げ、自然の状態に近い水槽で育てています。魚は季節の変化を受けやすく、環境を整えれば引き締まった肉質になります。水温が高ければ高いほどいいのが、うなぎ。ふぐも夏が元気です。一方、ひらめは20~24度が最高のコンディションなので、酸素供給に気を使いながら育てています。
汲み上げた海水は、ろ過し、紫外線殺菌をすることで、寄生虫や細菌の感染を防いでいます。そのため、魚に対して薬を使う必要はありません。魚の餌は環境に配慮したものを使い、美しい海を保つ取り組みをしています。また、マイクロプラスティックの除去も行ない、水道水レベルの美しい水を豊富に使って大切に魚を育てています。
京都大学農学研究科 木下政人助教授と共同で、未来型の養殖システム開発を行なっています。「安全で美味しい魚を育てる」ことを追求する九州宮崎・くしま 未来養殖ラボの陸上施設で養殖し、とらふぐをすくすく健康的に育つように取り組んでいます。
IoTを活用した養殖の自動化に挑戦します。現在は、産業振興支援機構、宮崎県工業技術センターと連携し、海水中の酸素濃度を自動で測り、調整しています。今後は、管理・運営をテクノロジーの力を使い、今までにない新しい養殖の姿を構築していきます。
「九州宮崎・くしま 未来養殖ラボ」の名の通り、今後も養殖を通じて魚普及の可能性を探っていきたいと考えています。
ぜひお力添えをいただき、私たちと一 緒に「安全、安心で美味しい魚」を追求することができれば嬉しいです。
よろしくお願いします。
ご興味がある方は、いつでもお問合せいただき、現場視察にいらしてください。
金色の姿をしている「黄金 -きん-のひらめ」は、食べると金運 が上がる、福が来るなど縁起がいいとお客様から喜ばれています。
種苗の導入時期をずらして、常に「旬の状態」で出荷しているから、美味しさが安定しています。ビール酵母、タウリン、ビタミンなど魚が喜び 、環境に優しい飼料を、季節や魚の状態にあわせて独自に配合しています。
ひらめは好奇心旺盛 。水面に手をいれて、ぱしゃっと水をはねさせると、すごい勢いで泳いでいきます。あまりの速さに 圧倒されるほど。1匹 が泳ぎだすと連動して他のひらめが泳ぎだし、一気に水槽の中が賑やかになります。
身が引き締まった黄金のひらめは、繊細で甘みがあり、料理人の間で人気の高い魚です。その人気は海外にも伝わり、現在はEPOCを通じてタイや台湾へ輸出をしています。
九州宮崎・くしま 未来養殖ラボのうなぎは、私たちのイメージするうなぎの色とちょっと違います。黒ではなく、少し青みがかっているのです。実は、うなぎが調子のいい状態のときほど、ブルーに近い色になるのです。
また、一般的にうなぎの養殖は淡水で行いますが、ここでは目の前に広がる志布志湾の海水で育てています。その名も「黒潮うなぎ」。
海水の掛け流しを使うことで、うなぎ特有の生臭みがなく、弾力のある肉質が生まれます。海水は温度調整をしないため、天然のうなぎに近い環境がうまれ、肉厚で濃い旨味になります。
蒲焼きや白焼きは備長炭でふっくらと焼き上げ、真空パックにして販売しています。一度味わうと、他のうなぎとの違いが歴然で、リピーターになる方が多い商品です。うなぎ好きな人にこそ食べていただきたい逸品です。
関西の飲食店さまから「とらふぐを育てられないか?」と相談があり、それをきっかけに養殖をスタート。2年ほどかけ1.5キロの大きさまで育つと販売します。
九州宮崎・くしま 未来養殖ラボのとらふぐは、愛くるしい姿に加え、尾まで美しい姿。ふぐは神経質な魚なので、ストレスフリーな環境を作ることをとっても大切にしています。また、鋭い歯で互いを傷つけることもありますが、適切な時期に一匹一匹歯を切る「歯切り」を行っているからこそ、美しい姿のままで育ちます。歯切りの数は、なんと全4回も。
ひらめと同様に、文献などから最も魚に適した栄養素がつまった固形配合飼料(EP)を、季節や魚の状態にあわせて独自に配合しています。身がひきしまり、淡白だけれど深みのある味わいは、お客様の舌をうならせます。
「夢の塩」は、都井岬の黒潮流れる沖合い100メートルから海水を汲み上げて、じっくりと時間をかけて釜炊きをしています。まずは、一次釜で1週間ほど時間をかけて、薪による遠赤外線効果で「かん水」を作ります。自然蒸発に近いので、ミネラルが豊富に含まれています。
不純物を丁寧に取り除きながら、4トンほどの海水を10分の1にまで煮詰めていった後、なるべく風のない日に二次釜で薪を使った直火で焼き上げます。最後の仕上げまで火加減を調整しながら、ゆっくりと焦らず炊いていくことで美味しい塩ができあがります。
塩作りをはじめて4年半、やっと納得のいく商品ができました。旨味があり、まろやかな口当たりで、特にお肉料理とあわせるのがおすすめです。
アカデミー賞授賞式後のパーティーのお料理や国内の高級ホテルでも使われるなど、食通の間で高い評価を受けています。